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2026.09.10 コラム

清掃業とは?「掃除」の一言では語れない、意外と奥深い仕事の世界

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清掃業とは?「掃除」の一言では語れない、意外と奥深い仕事の世界

「清掃業」と聞くと、皆さんはどんな仕事をイメージするでしょうか。

床を掃除する。
窓ガラスをきれいにする。
建物の中を掃除する。

もちろん、それも清掃業の仕事です。

ただ、実際にこの仕事に長く携わっていると、「清掃」という一言だけではとても説明しきれない仕事だなと感じます。

清掃の対象となる場所も違えば、使われている素材も違います。
建物の用途や汚れ方によって施工方法も変わりますし、使用する機材や洗剤、資材も変わります。

今回は、そんな意外と知られていない「清掃業」という仕事について少しお話ししたいと思います。


建物を維持するための清掃

ビルや店舗などでは、建物をきれいな状態に保つためにさまざまなメンテナンスが行われています。

清掃というジャンルの中で比較的イメージしやすいものが、床やガラスなどを定期的に清掃する定期清掃です。

毎月行う場合もあれば、数か月に一度、年に数回という場合もあります。

それ以外にも、

・貯水槽の清掃や点検
・エアコンなどの清掃
・飲食店のグリーストラップ清掃
・汚泥回収
・厨房フードやフィルターの清掃
・排水管や排水溝の清掃
・外壁や看板の洗浄
・害虫や害獣の防除
・廃棄物の回収や分別
・駐車場や外構部分の清掃
・高所作業を伴う窓ガラスや外壁の清掃

など、建物や施設によってさまざまな仕事があります。

例えば、飲食店では厨房内の油汚れやグリーストラップの清掃が必要になりますし、商業施設では多くの人が利用するトイレや共用部分を衛生的に保つことが重要になります。

また、病院や介護施設、食品工場などでは、単に見た目をきれいにするだけではなく、衛生管理や感染対策、異物混入の防止など、より専門的な知識が求められる場合もあります。

工場や倉庫では、床に付着した油や粉じんの除去、機械周辺の清掃など、そこで行われている作業に合わせた清掃が必要になります。

さらに建物全体の維持管理というところまで範囲を広げれば、空気環境測定などもありますし、清掃とは別分野になりますが、

エレベーターやエスカレーターなど各種設備の点検、消防設備や電気設備、給排水設備の点検などもあります。

建物は、目に見える床や窓だけで成り立っているわけではありません。

普段は意識することのない設備や配管、空調、排水などが正常に機能しているからこそ、私たちはその建物を安全かつ快適に利用することができます。

つまり、皆さんが普段利用しているビルや店舗は、実はさまざまな専門業者の仕事によって維持されています。

清掃業は、その中でも利用する人の目に触れやすい部分をきれいにするだけでなく、建物を長く使い続けるための維持管理や、そこで働く人・訪れる人の安全と快適さを支える仕事でもあります。


「日常清掃」と「定期清掃」も違う仕事

清掃業には、定期清掃だけでなく日常清掃と呼ばれる仕事もあります。

例えばオフィスビルや店舗、マンションなどで毎日、あるいは週に数回行われる清掃です。

ゴミの回収、掃除機掛け、トイレ清掃、共用部分の清掃など、その建物を利用する人たちが毎日気持ちよく過ごせる環境を維持するための仕事です。

一方、定期清掃では、日常清掃だけでは対応しきれない床面の洗浄やワックス施工、ガラス清掃などを専門的な機材を使用して行います。

同じ「建物を掃除する仕事」でも、目的も施工方法も大きく異なります。


工事に関わる清掃という仕事

清掃業には、建物の維持管理とは別に工事に伴う清掃という分野もあります。

ゼネコンや工務店などの建築工事に伴って行う美装工事や、店舗・オフィスなどの内装工事完了後に行う引渡しクリーニングなどです。

栄ビルサービスでは、この内装工事に伴う引渡しクリーニングを得意分野のひとつとしており、年間で数百件の物件を施工しています。

引渡しクリーニングというと、「工事が終わったあとに最後に掃除をする仕事」と思われるかもしれません。

もちろん間違いではありませんが、実際にはもう少し複雑です。

内装工事が完了した現場には、工事中に発生したホコリや粉じん、接着剤やシール材などの付着物、養生材の跡、細かな建築汚れなどが残っています。

それらを取り除き、最終的に店舗や施設として使用できる状態へ仕上げ、次の工程、あるいはお客様への引渡しにつなげるのが私たちの仕事です。

そして、一概に「店舗」といっても、その中身はまったく違います。

大型の専門店もあれば、ブティック、貴金属店、飲食店、オフィスなどもあります。

床材も違えば、什器も違います。
壁やガラス、金属、木部など使われている素材も違います。

飲食店であれば厨房設備がありますし、貴金属店やブティックでは仕上がりの見え方に対して高いレベルを求められることもあります。

大型店舗であれば、限られた時間の中で広い面積を仕上げるための段取りや人員配置も重要になります。

つまり、同じ引渡しクリーニングであっても、物件の用途や規模、使用されている素材、工事の状況によって施工方法は変わるということです。

決められた清掃方法を毎回同じように行えばいい仕事ではありません。

現場を見て、その物件に何が必要なのかを判断し、それに合わせて施工することが求められます。


同じ「床清掃」でも方法はまったく違う

清掃という仕事をもう一歩踏み込んで見ていくと、かなり専門的な世界になっていきます。

例えば「床を清掃する」という仕事。

一見すると単純そうですが、まず床が何でできているのかを確認しなければなりません。

Pタイルなのか。
石材なのか。
タイルなのか。
コンクリートなのか。
カーペットなのか。

床材が違えば、施工方法も使用する機材も材料もまったく変わります。

例えばカーペットひとつを取っても、掃除機を掛けるだけの場合もあれば、専用の機材を使って表面の汚れを取り除く方法もありますし、しっかりと洗浄する方法もあります。

Pタイルなどの床であれば、ワックスを塗るのか、塗らないのかという選択もあります。

毎回ワックスを塗って美観を維持する方法もあれば、定期的に磨くことで艶を維持していく方法もあります。

当然、それによって使用する機械やパッド、洗剤、ワックスなども変わります。

実際、業務用の洗剤やワックスだけでも非常に多くの種類があります。

大切なのは「とにかく強い洗剤を使えばきれいになる」ということではありません。

素材や汚れの状態を見極め、それに合った方法を選ぶこと。

これも清掃業に必要な知識と技術のひとつです。


同じ清掃でも「誰から、何のために頼まれるか」で変わる

清掃業の幅広さは、施工方法だけではありません。

例えば住宅の清掃ひとつを取っても、家主の方から「年に一度、大掃除のような感覚できれいにしてほしい」と依頼を受けることもあれば、

リフォーム業者や内装業者から工事完了後の引渡し清掃として依頼を受けることもあります。

掃除する場所は同じ住宅だったとしても、依頼の目的が違えば求められる仕事も違います。

これは店舗やビルでも同じです。

「何を掃除するか」だけではなく、誰から依頼を受け、何を求められているのかまで考える必要があります。


大切なのは「誰のため、何のための仕事なのか」

清掃の仕事をしていると、「もっときれいにしたい」「ここまでやった方がいい」と考えることがあります。

もちろん、品質を追求することは大切です。

ただ、それが自分たちだけの自己満足になってはいけないとも思っています。

その仕事は、一体誰のための仕事なのか。

建物のオーナー様なのか。
施工業者様なのか。
現場を管理している担当者様なのか。
実際にその店舗や施設を使用する方なのか。

そして、その方が何を求めているのか。

とにかく高い品質を求めている場合もあります。

限られた予算の中で、必要な品質を確保してほしいという場合もあります。

工期が迫っていて、何とか問題を解決してほしいということもあります。

場合によっては「ここまできれいにしてください」ということよりも、

今起きている問題をどうにかしてほしいということが一番の目的であることもあります。

だからこそ私たちは、ただ目の前をきれいにするだけではなく、

「この仕事は誰のために、何のために行うのか」

を考えることが大切だと思っています。


清掃は、意外と奥が深い仕事です

今回ご紹介した内容も、清掃業全体から見ればほんの一部です。

清掃する場所。
建物の用途。
床や壁などの素材。
汚れの種類。
施工する目的。
使用する機材や洗剤。
ご依頼いただく経緯。
そして、お客様が何を求めているのか。

それぞれによって仕事の内容は変わります。

一言で「掃除」と言ってしまえば簡単ですが、実際の現場では経験や知識、技術、そして状況に合わせた判断が必要になります。

そして最終的には、自分たちが満足するためではなく、お客様が求めている結果につなげること。

それが、私たちが考える清掃という仕事です。